story

蔵王のホテル

Yさんが15、16歳の頃、友達と蔵王にスキーをしに行った。
Yさん一行が宿泊したホテルは、下の階にゲームセンター等の遊戯施設があり、客たちの声やゲーム機の音など喧噪に包まれていた。
友人たちは先にスキーに向かっており、Yさんは一人で、部屋でスキーの準備をしていた。
ふと気がつくと周囲が無音状態になってていた。そして、部屋に全身血まみれの男が立っていた。
さらに男は腹が破れて腸が出ており、腸を手に持っていた。
あまりの状況に言葉を失っているとその男は、「入れてくれ」と自分の手に持つ腸を差し出した。
Yさんは、冷静に「無理です。」と返した。しかし、男はその返事を無視し、「入れてくれ」と言う。
Yさんは、「無理です。」と繰り返し、「入れてくれ」、「無理です」の応酬をしばらく続けていた。
すると霊も諦めたのかスーっと自分の横を移動して消えていった。霊が消えると周囲の喧噪が耳に戻って来た。
Yさんが体感した時間は相当長く感じたが実際は5分も経っていなかった。自分が今見たものは幻覚だったのだろうかと思い、準備を再開した。
そして、小物を部屋の空調機の下に落としてしまった。その空調機は学校にあるような、地面に設置して、機械の上から温風を出すタイプのものだった。
その空調機をどかすと、後ろに朱色で書かれたお札が貼られているのを発見した。
後で調べると蔵王にはだまざまな宿泊施設があり、Yさんが宿泊したホテルとは別のホテルで火災事故があった。関係があるかは不明であるが。

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